淡い色合いと、その生地の風合いがとても素敵なお雛様です。

生地の上にさらにもう一重、羽衣の生地がのったようなやわらかな印象で

お二人に同一の生地を使うことでとってもいい雰囲気に仕上がりました。

撫子（なでしこ）の刺繍と、盛り上げの金彩でふちどられた花びらが鮮やかですね。

刺繍の質感も高く、計算された柄の配置は「恵林雛」のもっとも得意とするところ、

可愛らしいだけではなく上品な雰囲気で印象に残るお雛さまです。

美しいお顔も着ていらっしゃる衣装にあわせ、こころなしか穏やかで柔和な表情に感じます。

後ろから見てもそのお姿は美しく、親王飾り（お二人だけの飾り）にぴったりです。

揃いの柄は仲睦まじく、きっと幸せなご縁を運んでくださるのではないでしょうか。

実はこちらのお雛様、春に作家さんのところで生地を見せていただいて、

絶対にこの生地でお願いしよう！とすぐに心に決めました。

この生地に合わせてどんな柄が合うか、打ち合わせを重ねて・・・

私「この刺繍をこの生地にできませんかね？」

作家さん「う～ん、また難しいことを・・・、でもいいですね。やりましょう！」

この時点でもどんな感じに仕上がってくるか想像しておりましたが、なかなか素敵なお雛様となりました。

実はこちらの生地で立雛の製作もお願いいたしておりました。

そのご紹介はまた今度させていただきます。